顔面を真っ赤に染め闘い続ける両牛。
その顔をレンズのファインダー越しに見る。
私は思う・・・何がお前達をそこまでさせるのか?
30分以上も闘い続け
既に限界を超えている。
それでも決して引かない。
誰のために闘うのか?
牛主のため?
その家族のため?
応援してくれる仲間のため?
自分も苦しいが、相手も苦しい・・・
それを知っているのか、
己のプライドが背を向けることを許さないのか?
ふと自分の生きざまを顧みる。
困難に背を向けてないか?
楽な方向に逃げたことはないか?
何かが胸にこみ上げて来る。
無敗の勇者が渾身の力を振り絞る。
負けてはならじと踏ん張る若手挑戦者。
ついに力尽きた・・・
相手に背を向け戦列を離れる。
ベテランの“勝ち”に対する執念を見た。
負けて若手は評価を上げた。
良い「なくさみ」だったと帰路に着く観衆。
闘牛の醍醐味がここにもある。 |
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