闘牛大会情報
闘牛トピックス
全国こども作文・スピーチコンテスト「わんぱく宣言2005
『元田大勇くん(喜念小5年)が審査員特別賞』
去る4月24日、全国各地から約7,000点の応募があった全国こども作文・スピーチコンテスト「わんぱく宣言2005!」(主催:ニッポン放送、文部科学省など後援)で、元田大勇君(10歳)作品が決勝審査にこまを進め、見事「審査員特別賞」を獲得した。
全国の小・中学生を対象に「家族」をテーマに募集。闘牛を通した親子のきずなや夢を書いたもので、新聞報道によるとリハーサル段階では圧倒的な大賞候補だったとの事。
大賞は惜しくも逃したものの、「審査員特別賞」を獲得した元田君の作品は、闘牛ファンにとっても胸を打たれる内容である。ご本人と家族の了承を得て紹介させて頂きます。
愛牛マルゲントガイと元田大勇君 作文(原文):右上・左上・右下
「チャンピオンを育てるぞ」
伊仙町立喜念小学校5年 元田大勇
マルゲントガイ。ぼくの家でかっている牛の名前だ。牛といってもふつうの牛ではない。マルゲトガイはとう牛に出る牛だ。
「昼、マルゲンにえさをやっとけ。」
とお父さんにたのまれ、休みの日、マルゲントガイにえさをやるのは、ぼくたち子どもの仕事。ぼくは、牛小屋に置いてあるローズという草を両手いっぱいにかかえ、たっぷりやる。すると、マルゲントガイは、口をもぐもぐさせながらおいしそうに食べる。体はぼくよりすごくでかいけど、目がくりくりしていて、とてもかわいい。そんなかわいい目が、とう牛の大会になるとこわい目に変わる。
去年の5月5日。その日は雨だった。マルゲントガイを連れ、家族や親せきの人もいっしょに犬田布とう牛場に行った。
対戦する相手の牛は、マルゲントガイと同じぐらいの大きさ。でも、少しやせていた。ぼくは「きっと勝てる。」と思った。
試合が始まった。マルゲントガイは、せめてせめて、せめまくった。それでも勝負がつかない。相手の牛のねばりはすごかった。
「もしかすると…」少し不安になった。
試合が始まって17分がすぎようとしたときだった。マルゲントガイが速こうで相手の牛のわきばらに角をつき立てた。相手の牛は、たまらずにげ出した。
「やった勝ったぞ。」
ぼくたちは大喜びで、とう牛場になだれこんだ。みんな手まいをおどり始めた。指ぶえを鳴らす人もいた。お父さんが、
「大勇、背中に乗るか。」
と聞いた。ぼくが、
「うん。」
と言うと、お父さんは、ぼくをかかえ上げ、マルゲントガイの背中に乗せてくれた。
マルゲントガイの上で手まいをおどる気分は最高だった。まるで自分が勝ったみたいで。
あれからもずっと、お父さんといっしょにマルゲントガイを散歩させている。もっともっと強い牛にするためのトレーニングだ。
お父さんが、ときどき、
「大勇、お父さんはつかれたから、代われ。」
と言って、牛のたづなをぼくにわたす。たづなを手に持つと、マルゲントガイのご主人様になったみたいで、とてもいい気分だ。
いつか「チャンピオンの牛を育てる。」
それがお父さんとぼくのゆめだ。


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