=エッセー= |
一言では語れない島の魅力! |
「大和人(やまとんちゅ)が見た島人(しまんちゅ)」 |
暮らして分かる疑問と素晴らしさ |
地元ミニコミ新聞「ミニミニかわらばん」に大和凡人(ヤマトボント)というペンネームで連載したエッセィです。御感想などいただければ幸いです。 |
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その3「島のイメージ」
今月の10日で、来島して丸一年になる、実際に自分の目で島の実情を見てからは、来る以前に思っていた印象が一方的な見方だったというとを実感した。
私だけでなく、親戚や身内がいるわけでもなく旅行で来たこともない人は、同じような印象を持っていると思う。空港に到着し、しばらくの間続くサトウキビ畑が広がる風景を車内から見たとき、島全体がこのような田園地帯だろうと思っていた。しかし、亀徳の高台から臨む亀津の街並が眼前に広がってきたときは、このような市街地があるとは思ってもいなかったで、「近代的な繁華街があるのだ」と驚いたものである。
妻からはある程度聞かされてはいたが、正直いって「見栄を張って、少しオーバーに言っているのだろうな」と心の中では思っていた。東京に10年近く住むと、南西諸島でも沖縄以外は東京近郊の小笠原諸島に広がる離島群と同じで、観光が産業の主体であり次にくるのがその地域独特の果樹や畑作などの第一次産業、製造業などの第二次産業はほとんどなく、第三次産業といっても飲食店ぐらいという印象を与えられていた。日本列島自体大きさの違う島々から成り立っているのだが、面積が小さく距離が離れているというだけで離島と呼ばれ僻地としてとらわれがちではないだろうか。
ではなぜそのようなイメージを持たれるのであろうか?例えば、私は宮城県の出身であるが、東北地方というと豪雪地帯で「冬は大雪で大変ですね」と言われる。確かに、日本海側や山間部は大雪が降るが、太平洋側はそれ程雪が積もるわけではない。私が生活した18年間で一番の積雪は膝下までで、3日もすればほとんどなくなる。このようなA地方といえば、雪国で稲作地帯というとらえ方は学校教育にも一因があると思うが、最も影響ががあるのは、マスコミとりわけテレビによる影響である。私が島に対して持っていたイメージもテレビや新聞によって報道されたものから印象付けられたといえる。先日もあるテレビ番組でトカラ列島の宝島や小宝島が紹介されていた。小宝島では自動販売機が1台で小中学校の全生徒が8人とのことだった。また某家電メーカーのCMで、沖永良部の住民が最新の通信端末で食料品の注文をして船で届けられるものがある。便利な最先端機器の宣伝ではあるが買物をする場所があまりないかのような印象を与える。
マスコミで多面的に伝えるのは相当の時間が必要であり、ある一面を紹介することしか出来ないのはやむを得ないといえる、観光面ではプラスになるが一方的な印象を与えがちという点ではマイナス面もある。
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