=エッセー= |
一言では語れない島の魅力! |
「大和人(やまとんちゅ)が見た島人(しまんちゅ)」 |
暮らして分かる疑問と素晴らしさ |
地元ミニコミ新聞「ミニミニかわらばん」に大和凡人(ヤマトボント)というペンネームで連載したエッセィです。御感想などいただければ幸いです。 |
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その7「豊かな自然を楽しむには」
暑い日々がつづき多少寝苦しい夜もあるが、肌を焦がすような日差しの中、これが南国の夏なのだというのを実感しているこの頃である。なかなか黒くなりにくく秋から冬になるとほとんど元の状態に戻る私としては、汗をかいてビール腹をひっこめるには最適の季節と思い、休みの日には有害な紫外線に当たることを考えているため、直射日光にいかに照りつけられないようにしようかと日焼け対策に余念がない妻とは、遊びに行くにも意見が合わない一因となっている。
ところで、私の郷里には周囲が約8kmぐらいの大島という名前でちょとした観光地になっている島があり、在京中は最寄りの湯治場として伊豆があって、その半島からは伊豆大島が全体を見渡せるぐらいの大きさで眺められたと思う。その経験からか、初めて来島し飛行機内から島を眺めた第一印象は、周りを珊瑚で囲まれた小さな島のように見えた。
しかし、実際に島内を与名間ビーチからムシロ瀬、ソテツトンネル、山の海岸や畦プリンスビーチ、里久浜、喜念浜、犬田布岬、犬の門蓋などをめぐってみると、切り立った断崖や大きな岩に打ちつける波、周囲を珊瑚に囲まれた砂浜や外洋に面した砂浜、そして、山の林道を登っていった際に、山(やま)の中腹から集落や海岸を一望して自然の美しさを感じ、同じ島でもこんなに風景が違うのかと驚いた。
ただ、一般的には冬山が危険といわれ、夏山登山は安全と思っていたもので、井之川岳や天城岳にはこれから登ろうかと思っていた。会社の先輩のアドバイスがなければ、あやうくハブの餌食になるところだった。
また、初めて海で泳いだ時にサンゴがあんなにギザギザしたものと考えてもいなかったので、素足で泳ぐのが当たり前と思っていた。案の定、サンダルを履いたまま泳ぐようにという妻の指示を無視したため足の裏を怪我し、ナマコを踏ん付けて驚いたり、遠くから見ると綺麗な珊瑚礁の怖さを知った。
何故か分からないが、海沿いの道路を流していくと気分が晴れる。最近、改修されている県道などは、海岸線に近いところを通るように作られているようで、そのような道路で島を一周できたら気分爽快だろうなと思う。
しかしながら、私などから見て綺麗に思える海も、話を聞くと与論や加計呂間の方がもっと澄んでいるとのこと。そういえば、沖縄のある海岸が、ゴルフ場開発による赤土で珊瑚礁が汚染され、元どうりに戻すのは不可能と観光開発の問題点を指摘するテレビ番組があった。バブル崩壊後は、このような環境破壊が何かと指摘され、どこの観光地でも自然環境の保全と観光事業の発展をいかに両立させるかが大きな悩みになってきている。
これは、行政や企業が真剣に取り組むべき課題ではあるが、我々も身の回りのこと(例えばゴミの捨て方や排水の処理方法など)から気をつければ、少しでも島の美しい自然を守ることに役立つのではないだろうか。
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