=エッセー= |
一言では語れない島の魅力! |
「大和人(やまとんちゅ)が見た島人(しまんちゅ)」 |
暮らして分かる疑問と素晴らしさ |
地元ミニコミ新聞「ミニミニかわらばん」に大和凡人(ヤマトボント)というペンネームで連載したエッセィです。御感想などいただければ幸いです。 |
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その12「島の秋」
前回は、「ここに来て感心したのは、子供から大人まで結構スポーツが盛んで、子供に対する教育も熱心なことである。学校のグランドでも、ナイター設備などが整えられているところが多く見かけられる。気候の面と共に、施設の面でもなかなか充実している方ではないだろうか、もっと活用すべきと思われる。」ということで、その点について、今回具体的に述べることにしていた。
小学校の運動会に行ってみると、スポーツ少年団の紹介が行なわれる。学校行事のプログラムの中で、課外クラブの部員のお披露目が行なわれることなど見たことがなかった。小学生からスポーツ少年団に加入することができ、教師・監督やコーチなどの指導者と共に親も熱心に協力しているということが伺われた。
“健全なる精神は、健全なる身体に宿る”というが、先日ある中学のスポーツ部と交流する機会があり、その礼儀正しさに感心させられた。自分自身も中学で野球部に所属していたが、このように礼儀正しかっただろうかと思った程である。こちらも、清々しい気持になり、互いにフェアプレイに撤する事ができる。またそこでも、自分達の子供の活躍を熱心に応援している父兄の姿が見られた。
夏の甲子園でも、ベスト4に残った中で3校は九州勢で、決勝も地元鹿児島県と佐賀県の代表の争いとなった。その健闘ぶりを見て「関東・関西の激戦地区並み、いやそれ以上にレベルがアップしてきており、都市の学校と差がなくなってきているのではないか」と言うスポーツ評論家もいるほどである。
このように都市化することによって、学業やスポーツ面の成果も上がるが、その一方では、都市化による弊害も生じてくる。よく問題になるのが、少年非行の低年齢化である。少年非行が問題になると、「家庭の躾が悪い」「教師の指導が悪い」など、責任を相手に転化しがちである。家庭・教育現場での指導は当然であるが、そのような青少年非行の現場を見ても、見ぬふりをする第三者にも責任があるのではないだろうか。教師、家庭と共に地域社会の人々を含め、三位一体となって問題解決に取り組むべきものと思う。
昨年から今年にかけても、地元出身のスポーツマンが空手や野球など各分野で華々しい成果を上げて話題になっていた。また最近では、天城町のゲートボールクラブが世界大会に出場するなど、老若男女問わずの活躍が見られる。地元の代表者はもちろん、島を離れた選手も家族や指導者だけでなく、地域住民をあげて応援するのは素晴らしい事である。地元にいながらも、島外で活躍している選手以上の才能を持った、うずもれている人材もいるのではないだろうか。最終的には、本人の自覚・努力次第だろうが、指導者・家族・地域社会が一体となって生かせる環境を活用していくべきと思う。
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