闘牛大会情報
闘牛トピックス
第5回全島一・軽量優勝旗争奪戦伊仙町大会
(平成24年10月24日現在
日 時:平成24年10月28日(日)午後1時開始
場 所:徳之島地域文化情報発信施設(旧東目手久闘牛場:伊仙町東目手久)
主 催:伊仙町闘牛協会
後 援:徳之島闘牛連合会
入場料:大人3,000円(高校生以上)、小人1,000円(中学生)、小学生以下無料
全島一
優勝旗
争奪戦
チャンピオン
基山大宝
(牛主:基山初男、11連勝)
チャレンジャー
闘将恒夫丸
(牛主:富岡恒夫、4勝1敗1分)

軽量級
優勝旗
争奪戦
チャンピオン
優翔大力
(元一輝大力、牛主:戦闘牧グループ、沖縄含む10勝1分)
チャレンジャー
森山工業孫一號
(元ウラブ嵐、牛主:森山一忠)

関脇
真翔剛梵天丸
(元梵天丸和己、牛主:
ただ吉太郎
(牛主:前 将太)

特別
極心トガイ帆船花
(牛主:米良和則)
戦勝若力
(牛主:T&Tまさみつ)

若手花形
闘将☆マングース
(牛主:政一誠・雄成、3連勝)
ぐるくん
(牛主:大宝応援隊、大&強)

封切特別
伊仙町同志会
(蜂男トガイ、牛主:久保良徳・平山勉・常弘重、3連勝)

(牛主:重田正美、2連勝)
【大会の見所】
いよいよ今年最後の全島一大会が、徳之島地域文化情報発信施設として全天候型に新装された、旧東目手久闘牛場の?落としの大会として開催される。今年最後の全島一優勝旗争奪戦である「基山大宝」対「闘将恒夫丸」の大一番は、闘牛ファンならずとも目の離せない一戦だ。
また、今年1月・5月と2度のタイトル防衛を果たし、新たなオーナーにトレードされた「優翔大力」(元一輝大力)に、ベテラン実力牛「森山工業孫一號」が挑む軽量級優勝旗争奪戦に、全国の闘牛ファンが注目している。
加えて、若手実力牛が激突する「伊仙町同志会」対「富士若」の封切特別戦、「真翔剛梵天丸」対「ただ吉太郎」の関脇戦。小型牛ながら短期戦から長期戦までこなし3連勝として人気上昇中の「闘将☆マングース」に、八重山2連勝の実績を引き下げ徳之島入りした「ぐるくん」が挑む指名特別戦で、大会開始から場内が大いにヒートアップしそうだ。

全島一優勝旗争奪戦〉基山大宝 vs 闘将恒夫丸
「基山大宝」は、沖縄全島一横綱として名を馳せた「戦闘シャネル」の3番目の牡牛として伊仙町崎原の基山闘牛生産牧場で生まれた、徳之島生え抜きの横綱牛である。2009年10月の全島一大会で、地元生え抜き初の中量級王座に就くと、10年1月から11年1月の大会まで4度のタイトル防衛に成功。挑戦牛不在となる中で、中量級優勝旗を返納して全島一挑戦を決断しその夢を実現した。
11年5月の全島一大会において1トンクラスと思えぬ圧倒的なスピードと角さばきの巧みさで悲願の全島一優勝旗を獲得すると、同年10月と本年1月の防衛戦でも圧倒的存在感で相手の戦意を奪い防衛。記憶にも新しい5月の全島一優勝旗争奪戦では、「純心開発枠組会」と8分21秒に渡る激闘を展開。対戦開始早々の速攻を持ちこたえ、粘る相手のガン角でダメージを受け不利になるかと思われたが、体重を乗せた角カケを披露し多く闘牛ファンを唸らせる技の豊富さを見せつけた。
チャンピオン4度目のタイトル防衛を阻もうと挑む「闘将恒夫丸」は、08年1月1日の大会に8分弱で「綾香トガイ」に勝利し初場所を飾り、09年4月29日大会は22分余り闘ったものの「闘魂パンダ」と引き分け、同年9月27日大会の横綱戦で「丸正建設蟹号」と激突。13分41秒で惜敗したものの、翌年10月ナイター大会の横綱戦に出場すると、武器を有効に生かしたワリ技を見舞い30秒の短期戦で「赤鮫」に勝利し、存在感を見せつけた。昨年1月3日の全島一大会で、元全島一横綱「龍王丸」に3分56秒で勝利し、今年4月29日大会で「玉江大王」を4分57秒で下した。ツキ技からの速攻を得意とし体格と武器も充実しており、全島一横綱チャレンジャーとして何度も上げられて来た大型実力牛だ。
前回の闘いぶりからチャンピオン有利の前評判は高い。対戦開始早々、基山大宝が得意の速攻を決めて腹取りを見舞えば、数十秒で勝負ありだ。ガン角を生かしたツキ・ワリ技を出してくれば、前回同様に角カケでダメージを抑えながらスタミナを奪い、足元が軽くなるのを見計らい、怒涛の速攻からの腹取りを決めたい。
一方の闘将恒夫丸は、体重を乗せたツキ・ワリ技を見舞い、怯ませることが出来れば勝機は見えてくる。そうはさせまいと相手が角カケに入れば、角カケを外して相手のマキを傷め続け、戦意を奪い勝機を見出したいところ。連勝の勢いのまま、悲願の優勝旗を何としても奪取したいところだ。
今回闘牛場の新装に合わせ闘牛場のリングも広くなったと聞いており、どのような影響があるのかも注目したい。全国の闘牛ファンが注目する徳之島の全島一横綱戦であり、千秋楽に相応しい激闘が繰り広げられるのは間違いない。観客は一瞬たりとも目を離すことが許されないであろう、勝利の女神はどちらに微笑むか。
応酬が繰り広げられ、時間が経つのも忘れるぐらいの激戦となるであろう。優勝旗の行方や如何に。

〈軽量級優勝旗争奪戦〉優翔大力(元一輝大力)vs森山工業孫一號
「優翔大力」は、沖縄で軽量級チャンピオン「丸昇組花形」として2度のタイトル防衛を果たした。無敗のまま沖縄軽量級優勝旗を返納し、6戦全勝の戦歴を引き下げ徳之島へ移籍。2010年10月16日大会の徳之島初場所を勝利し、昨年1月2日大会で「岩下バイソン」と52分の激戦を繰り広げたものの、勝負が着かず引分けとなった。
昨年10月の全島一大会において、満を持して軽量級優勝旗に挑戦。チャンピオン「綾音無双レイア号」と激しい腹取りの応酬を披露すると、柵際での見事な切り返しを決め9分余りで勝利し念願の優勝旗を獲得した。今年1月3日の初防衛戦は、「背白花形」を9分余りで退け、5月4日の全島一大会では「ボロジノ娘」の攻めを柵際に詰まること無く交わして自分ペースに持ち込み、14分25秒で2度目の防衛を果たした。攻撃に対する守備が上手く、攻め込まれているように見せながら角先を敵の角の根元などに当てて痛めつける試合巧者であり、勝機を見逃さない集中力の高さも抜群だ。
一方、かねてより軽量級チャレンジャー候補として上げられていた「森山工業孫一號」が遂に軽量級優勝旗に挑戦する。徳之島と沖縄を又にかけて活躍し、通算28戦27勝1敗という輝かしい戦歴を残して引退し、種牛として余生をすごした名牛「誠大力」を親に持ち、幼少期には徳之島で過ごしたこともある。沖縄で3連勝の実績を上げ徳之島入り。「ウラブ嵐」としてその後も勝ち星を重ね、10年1月2日の大会で「新撰組グループ號」として元中量級チャンピオン「琉球白虎」と12分49秒に渡る激闘を繰り広げるも惜敗し、初黒星を喫した。その後、現オーナーにトレードされると、11年元旦から10月10日の大会まで出場した全3戦を制し、健在ぶりを見せつけた。カブラ気味の鋭く内側に曲った角を武器として、敵にダメージを与えながら徐々に戦意を奪うタイプだ。
数々の激戦を勝ち抜いてきた両牛であり、産地も同じ与那国島で年齢も10才前後であることから、何があっても譲れない一戦と言える。特に、挑戦権を得た森山工業孫一號としては、ことさらこの大一番を制したいところ。積極的に前に出て、武器であるガン角を有効に生かしてダメージを与え、敵に隙を見せることなく一気に勝負ありとしたいはずだ。
対する優翔大力は、早めに仕留めようと狙う相手の攻めを、柵に詰まること無く交わしながらスタミナを消耗させたい。足元が軽くなり隙が出来るのを見計らい、一気の腹取り速攻を見舞うであろう。
短めのヒラ角対カブラ気味のガン角で、タイプは異なりながらも角を武器とする両牛だけに顔面を鮮血に染めながらの中期戦が予想され、勝利に対する執念と決して逃げないという勝負根性が勝敗を決しそうだ。但し、対戦早々から真っ向勝負になれば、ダメージが大きいだけに短期戦も考えられる。軽量級ならではのパワーとスピード溢れる攻防に、場内は興奮のるつぼと化し、ファンの期待にたがわない激闘が披露されるであろう。優勝旗の行方や如何に。

〈関脇戦〉真翔剛梵天丸vsただ吉太郎
速攻牛として活躍する「真翔剛梵天丸」は、2011年1月1日の大会で「白皇」に1分03秒でデビュー戦を飾ると、同年5月5日大会で「千茶名天一」に2分13秒で勝利し敢闘賞を獲得。本年1月1日の大会では対戦開始早々、「煌羅滅鬼」に怒涛の速攻を決め37秒で制し3連勝目を上げた。5月6日大会の人気実力牛「天一」との横綱戦は接戦が期待されたが、1分13秒で惜敗。後遺症などがささやかれる中出場した8月12日大会で、「二代目 日本トガイ」を40秒で下し復帰戦を飾ると、現オーナーにトレードされた。あいさつ代わりにツキ・ワリ技を見舞い、相手が隙を見せたところで一気の腹取りを見舞い勝負を決めるのが得意の戦法だ。
対する「ただ吉太郎」は、今大会が徳之島デビュー戦。沖縄で「だだ吉太郎」として、本年3月11日の「復興祈願チャリティーマッチ大闘牛大会」(石川多目的ドーム)で、「有心輝龍」とのデビュー戦特番を21分09秒で制し初陣を飾ると、5月27日「本土復帰40周年記念闘牛大会」(同)で3連勝中の「金功重機龍星力」に6分27秒で勝利し、徳之島の現オーナーにトレードされた。真っ直ぐ上にとがったタッチュー角を生かし、重心を低くして相手にダメージを与える取り口を得意としている。
大方の闘牛ファンは、対戦開始早々、真翔剛梵天丸が得意の速攻を決め勝負ありとするか、その速攻で仕留めることが出来なければ、ただ吉太郎の角が敵にダメージを与えて戦意を奪い、相手を敗走させるだろうと予想している。
正に、その予想通りになるのか、互いにこれまで見せなかった角カケなどの技を披露することになるのかが見物だ。ただ吉太郎が見事に徳之島初場所を飾るか、はたまた真翔剛梵天丸が返り討ちに合わせるのか。闘牛通も予想しなかったような攻防を期待したい。

〈封切特番戦〉伊仙町同志会vs富士若
?落しの大会に相応しく、封切戦で大型人気実力牛が激突する。「伊仙町同志会」は「蜂男トガイ」としての09年5月5日大会がデビュー戦で、ベテラン相手に不戦勝で初陣を飾った。本年1月4日の大会では、2年余りのブランクがあるとは思えない取り口で「徳之島カケヤー」に7分33秒で勝利し、現オーナーにトレードされた。
「伊仙町同志会」としての初陣である5月5日大会では、ベテランで軽量級優勝旗にも挑戦した「背白花形」と14分15秒に渡る激闘を展開。目まぐるしい攻防で会場をヒートアップさせ、実力ぶりを見せつけた。名牛「鮫島号」(たくまトガイー)を父に持つ地元産の6才牛で、ファイトあふれる闘いぶりへの評価がすこぶる高い。
対する「富士若」は、岩手県産の6才牛。昨年9月24日の大会でベテラン「入福パンダ」に16分9秒で勝ちデビュー戦を飾り、現オーナーにトレードされた。本年5月3日の全島大会で「九紋龍」と対戦。当初は、歴戦のベテラン相手に苦戦するかに見られたものの、徐々に自分のペースに持ち込み10分57秒で勝利し、安定感の高さを見せつけた。攻めと守りのバランスが整った試合巧者だ。
この取り組みは、伊仙町同志会の容赦ない攻めを富士若がどれだけ凌げるかがカギだろう。対戦開始早々、相手にツキ・ワリ技を見舞いどんどん攻め立てるであろう伊仙町同志会。そのまま敵を柵に張り付け、勝負ありとしたいはずだ。
一方の富士若は、怒涛の攻めに対し下角を取り跳ね上げるなどで交わしながら、ダメージを最小限にとどめることが出来るかどうかだ。どんな攻撃牛でも攻め疲れが出る場面があり、その隙を狙ってり返しからの腹取り速攻を見舞いたい。
それぞれ、4戦目、3戦目で勝敗を決せざるを得ないのはもったいない気もするが、これぞ徳之島闘牛のだいご味と言える激戦を披露してくれるであろう。記念大会の封切戦を飾るに相応しい熱闘が予想される。
(平成24年10月25日付南海日日新聞に執筆)

闘牛大会日程・結果
平成24年
秋大会
10月27日大会
中量・ミニ軽量級
10月28日大会
全島一・軽量級
11月24日大会
同結果 同結果 同結果

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