2009年4月の大会でデビュー戦を飾った同士が、ミニ軽量級の優勝旗を賭けて闘う。同大会のプログラムを見返しても、沖縄などへの移籍組を含めて現役を続けているのは数頭のみとなっており、徳之島闘牛界の過酷さを体現している対戦とも言えそうだ。
チャンピオン「Mr.剛力」は、2009年4月大会で「YMTフレンズ笑軍」に勝ち、敢闘賞でデビュー戦を飾った。翌年1月大会で「天龍池山」に22分弱の長期戦の末に惜敗するも、同年5月大会でベテラン「突撃三虎あやね」に11分余りで勝利し敢闘賞を受賞。11年5月大会では、「竜翔たくま」に12分半、12年1月大会で「古堅モータース小鉄」との対戦を11分弱で制し、成人杯優勝旗を獲得。同年8月大会に13分余りで「前村鬼若」を退け、本年1月大会でミニ軽量級王座に挑戦。チャンピオン「東和技研白岩」とのすさまじい攻防戦の末に20分弱で勝ち星をもぎ取り、悲願の優勝旗を獲得した。攻撃は最大の防御とも言える、闘争心の高さは群を抜いている。
悲願の優勝旗獲得を目指すチャレンジャー「闘天ぶちかまし永岡号」は、09年4月大会で「熊姫」に8分強で勝利し殊勲賞を受賞。翌年5月大会は対戦相手の「ヘイヘイホー」に戦意が無く不戦勝。11年1月大会で「大和KID」を7分弱で下し、同年10月大会は「二等兵」を16分余りで退け、勝ち星を4連勝に伸ばした。本年1月大会で「闘将☆マングース」との連勝牛対戦で32分弱の激戦の末に惜敗したものの、5月の大会で「黄金隼」と目まぐるしい攻防を繰り広げ、42分で引分けとした対戦は闘牛ファンの脳裏にも焼き付いているはずだ。
両牛とも中長期の連戦が続いているだけに、早めに決着をつけたいところ。Mr.剛力は、序盤のつばぜり合いから長期戦になるのを避けるためにも、ツキ・カケ・速攻の3大技を連続的に繰り出し、相手に付け入る隙を与えず勝機を見出そうとするだろう。
対する闘天ぶちかまし永岡号は、相手の攻めを受け流しながら体力を温存し、なるべく10〜20分程度で決着を付けたいはずだ。敵に攻め疲れが見え、足下が軽くなるのを待つだろう。スタミナを消耗したところに一気の速攻を決めれば、さすがの連勝牛でも戦列から離れざるを得ない。
チャンピオンが破壊力抜群の攻めで2度目の防衛を果たすか、新チャンピオンの誕生となるか。小型牛ならではのスピーディーな技の応酬に会場が沸くのは間違いない。錦の御旗はどちらの手に。
|