お互い4歳に満たない若手ながら、稽古で鍛えられ将来を有望視されている両牛が封切戦で激突する。
「富士嵐」は、徳之島産の3歳半牛で、体重は750〜760kg程。伊仙町崎原の重田正美氏の愛牛で、同一牛舎で活躍している「富士若」とそっくりの造りをしており、ツキ技を得意とし評判が高い。
対する「角太将」も、徳之島産の3歳半牛。体重は760〜770kg程度。東京在住の作山将氏の愛牛で、牛舎は徳之島町亀津にあり地元稽古場所で幼少期から鍛えられ、ヒラ角を生かした角カケからの速攻で頭角を現している。
前評判が高い両牛だけに、大会前から闘牛ファンの期待を一身に集めている。先ずはドーム闘牛場という、稽古とは全く違う独特の雰囲気の中で落ち着いて闘えるかが最初のポイントだ。牛主は「ミヤ組まし」と称し、大会出場が決まると闘牛場に愛牛を運び場所に慣れるようにするが、満員の観客覆われた闘牛場は独特の雰囲気であり、人間でさえ戸惑うほどだ。
とは言え、いざ角を合わせれば目の前の敵を自分の縄張りから追い出すことに集中するはずだ。ツキ、ワリ技でガンガン攻めたい富士嵐、角カケで相手の技を凌ぎながら隙あらば懐に飛び込もうとする角大将という攻防が展開されるだろう。
初場所は、稽古で見せたような技を出せない場合もある一方、牛主も驚くような闘いぶりを披露する場合もある。持てる技を発揮し初陣を飾るのはどちらか。
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