徳之島の正月は“闘牛”無しには始まらない。１月１日午後から恒例の成人記念闘牛大会が開催され、新春闘牛大会の幕開けを告げる。

今年の徳之島闘牛界は昨年に引き続き、大会ごとにチャンピオンが入れ替わる激動の一年間だった。新年の大会は、全島一及び中量級、軽量級のタイトル戦において、「牛若丸　牧山号」、「邁進龍」、「コウダ技電ラッキーパンダ」と３頭の新王者が誕生し、ミニ軽量級の「吉村畜産　闘将☆マングース」のみがタイトルを防衛した。

続く５月大会では、全島一優勝旗争奪戦で「天龍王」が「牛若丸　牧山号」を怒涛の速攻で圧倒し王者に返り咲き、10月の防衛戦では「保岡大信玄」へのリベンジを果たした。正月大会の沖縄の前全島一横綱である「古堅モータース若力」との全島一優勝旗争奪戦は、全国からの注目も集まる事実上“日本一決定戦”であり、結果次第で横綱牛の勢力図も大きく変わることになるであろう。

一方、中量級は、「しぃじゃトガイ宝也号」が「拓真嵐白山号」との決定戦を制し、ペナント獲得に沸いたものの、10月大会においては「吉村畜産☆白雪」が新王座に君臨。軽量級においては、新進気鋭の「盛興業トラトラ」が「コウダ技電ラッキーパンダ」を退け栄えある優勝旗を奪取しチャンピオン牛の入れ替わりが続く、さながら“戦国時代”の様相はいまだに収まらない状況である。

来年の干支である「申」年は、「内外共に多事多端でひとつの変革期になる時期」などと予想されているが、闘牛界においてはどうであろう。その様な波乱の状況の中、５度の防衛に成功しているミニ軽量級チャンピオン「野島建設　闘将☆マングース」のタイトル防衛に注目が集まるのは必至だ。

新年の闘牛大会は初場所の若手牛も多く出場しており、「この牛が出場するならどんな大会でも観に行く！」と言われるようなスター牛が次々と現れ、“全国一いや世界一”とも称されている徳之島闘牛界を支えてくれるよう祈念したい。