闘牛大会情報
闘牛トピックス
第7回全島一・軽量級優勝旗争奪戦
(平成25年4月28日現在
日 時:平成25年5月5日(日)午前10時開始
場 所:伊藤観光ドーム(徳之島町亀津)
主 催:天城町闘牛協会
後 援:徳之島闘牛連合会
入場料:大人3,000円(高校生以上)、小人1,000円(中学生)、小学生以下無料
勝敗 地 区 東  方 番 付 西  方 地 区 勝敗 対戦タイム
喜念王道
康貴大力
(牛主:清水康貴、5連勝)
全島一
決定戦
戦艦大和

(牛主:西部闘牛組合、5連勝)
犬田布岬
力斗若虎
(牛主・政屋力斗、3連勝)
横綱戦
基山
大宝杯
保岡大信玄
(牛主:保岡盛満、2連勝)
チャンピオン
優翔大力
(戦闘牧グループ沖縄含む12勝1分)
軽量級
優勝旗
争奪戦
チャレンジャー
レイジパンダ
零次熊虎
(牛主:東芳宣、2連勝)
目手久
森新白虎
(牛主:森世紀、8勝1敗)
大型特別 健祥会☆戦闘たくま
(牛主:栄忠弘、1勝)
藤子花形
(牛主:福田康実)
指名特別
(牛主:S57年生)
松山兄弟號
(牛主:松山光秀)
特別
(牛主・わらびんちゃ)
飛翔虎丸
(牛主:島 利重)
大型特別
(牛主:児玉健太郎)
天虎嵐ちび太
(牛主:光とものり)
特別 三幸守太
(牛主:亀山守太)
浅 間 大興白龍
(牛主:大興グループ)
若手指名 さむらいAMAGI
(牛主:S45)
岩竜パンダ
(牛主:平山文弘、3連勝)
封切特別 西阿木名一撃
(牛主:窪田哲也、3連勝)
西
阿木名
全島一
決定戦
喜念王道
康貴大力
(牛主:清水康貴、5連勝)
戦艦大和

(牛主:西部闘牛組合、5連勝)

基山
大宝杯
力斗若虎
(牛主・政屋力斗、3連勝)
保岡大信玄
(牛主:保岡盛満、2連勝)

小結
チャンピオン
優翔大力
(戦闘牧グループ沖縄含む12勝1分)
チャレンジャー
レイジパンダ
零次熊虎
(牛主:東芳宣、2連勝)

封切特別
岩竜パンダ
(牛主:平山文弘、3連勝)
西阿木名一撃
(牛主:窪田哲也、3連勝)
【大会の見所】
2011年5月4日の全島一大会から全島一横綱として君臨し5度のタイトル防衛を果たした「基山大宝」が、1月3日の横綱戦で痛めた足の故障の完治が難しいと判明し、全島一優勝旗を徳之島闘牛連合会本部に返納。「喜念王道 康貴大力」対「戦艦大和 天一」の全島一チャンピオン決定戦が行われることになった。

「基山大宝」の経歴については、何度も繰り返しこの闘牛特集の紙面で紹介し続けており、闘牛ファンの皆様にもお馴染であると思う。私自身、学生や一般向けに闘牛に関する講演を頼まれた際など、地元首長のフルネームは知らなくとも「全島一横綱『基山大宝』」の名前を小さな子供から高齢者までが知っており、「基山大宝の防衛を阻む闘牛はいるだろうか」と口々に聞かれるなど、闘牛の持つ影響力に見を持って感じて来た。中量級優勝旗の5度獲得と全島一優勝旗6度獲得の偉大すぎる記録に敬意を表するとともに、大横綱「基山大宝」を目標に切磋琢磨し、スター牛が続々と出現することを願って止まない。

大会は全島一横綱決定戦に加え、軽量級優勝旗争奪戦を主体に、全島一チャレンジャー候補と目されている「力斗若虎」対「保岡大信玄」の基山大宝杯争奪横綱戦が、大いに注目されている。互いに3連勝中の人気実力牛が激突する「岩竜パンダ」対「西阿木名一撃」の封切戦から、全島大会ならではの初場所からベテラン牛までが対戦する手に汗握る好取組の連続で、“闘牛”ゴールデンウイークを締めくくる。

〈全島一優勝旗争奪戦〉喜念王道 康貴大力vs戦艦大和 天一
「康貴大力」は、2009年5月の大会に19分余りで「轟木青年団 マー大将」に勝利しデビュー戦を飾った。11年6月の大会では、体重で上回る「戦闘匠竜士号」の重い押し込みに苦しめられたものの、踏ん張り続けて11分余りで勝ち星をもぎ取り、中量級チャレンジャー候補として名乗りを上げた。
同年10月の中量級優勝旗争奪戦では、チャンピオン「亀山工業若力」に対し序盤から果敢に前に出て攻め続け、20分過ぎに有無を言わせぬ押し込みを決め悲願の優勝旗を獲得。12年1月の防衛戦では、6連勝中のベテラン「誠龍輝」の挑戦を受けるも、20分を越える長期戦で相手を舌出しに持ち込み見事に初防衛を果たした。続く、同年5月の大会では「白宝」を6分38秒で退け2度目のタイトル防衛に成功したが、さらなる高みを目指して中量級優勝旗を返納。今大会で、栄えある全島一優勝旗奪取を目指す。

対する「戦艦大和天一」は、2010年5月の大会で「勇太天一」としてデビュー、「煌羅滅鬼」に11分58秒で勝利しデビュー戦を飾ると伊仙町崎原にトレードされ、12年1月の大会で「天一」として「原田餅店号」と対戦。若手大型有望牛対決に13分16秒で勝ち星をもぎ取ると、同年5月の大会で「梵天丸和己」との連勝牛対決を序盤からの猛攻で攻め切り、1分13秒で勝ち猛者ぶりを如何なく披露した。
その後、現在のオーナーである西部闘牛組合に移籍し、10月の大会で「南赤桜」と対戦。開始早々に速攻を決め52秒でけりを付け、本年1月の大会でベテラン牛「成人同志会」(元沖縄 大嵩写真館号)を相手に安定した取り口を見せつけ、5連勝に勝ち星を伸ばした。早くから「将来の全島一候補」と目されてきた実力牛である。

序盤は互いの出方を見るような攻防が展開されるだろうが、康貴大力は、体重差を生かして相手の得意技を防ぎ、徐々に自分のペースに持ち込んで行くであろう。スタミナを奪い足下が軽くなったところを見計らい、体重を乗せた押し込みで敵を横向きにさせ、間髪いれず腹取りを決め勝負ありとしたい。

一方の天一は、序盤から果敢に攻め立てるだろう、ツキやワリ技を見舞いながら前に出て、相手に着け入る隙を与えず慌てさせることが出来れば狙い通りだ。攻めあぐねて敵の術中はまる前にけりを付けるためにも、相手顔面に勢い良く自分の角をヒットさせ、ひるんだ隙にスピード溢れる腹取り速攻を決め仕留めたいところ。

10分程度の中期戦なら天一のペースであり、20分を上回る中・長期戦に持ち込むことができれば康貴大力の狙い通りと予想する。1トンを上回る両牛とは思えぬほど、リングを目いっぱい使った双方の得意技の応酬が繰り広げられ、時間が経つのも忘れるぐらいの熱闘となるであろう。今GW闘牛大会の千秋楽に相応しい激戦となるはずだ。優勝旗の行方や如何に。

〈基山大宝杯争奪横綱戦〉力斗若虎vs保岡大信玄
本年1月4日の大会で予定されながら、やむを得ない事情で延期された取り組みが、今大会で遂に実現した。

「力斗若虎」は、基山闘牛生産牧場産で6歳牛。幼少期に、伊仙町検福の政屋寛史氏がほれ込み購入した。武器であるガン角を有効に生かしたワリ、ツキ技を得意としデビュー前の稽古から評判が高く、なかなか対戦相手を見つけられない状況が続いた。2011年5月の大会でデビューし「フジモン」に不戦勝。12年4月の大会で「黒猿」に戦意が無く不戦勝となり実力を披露する場に恵まれずにいたが、同年7月の大会で「S49年生新王」を6分45秒で退け取り口の一端を披露し、勝ち星を3に伸ばした。ツキ、ワリに加え父親である赤鷲を彷彿とさせる速攻を得意とする荒技師だ。

対する「保岡大信玄」は、基山闘牛生産牧場から輩出された沖縄本島産の大型実力牛。12年1月の大会で「突撃支援隊古徹号」を5分04秒で退け初陣を飾ると、10月の大会でベテラン「瑞鳳」に5分13秒で勝利し、底力の高さを見せつけた。徳之島町北部の闘牛所・花徳で鍛えられ、力斗若虎と同様に幼少期から評判が高く対戦相手探しに苦労してきた。

将来は全島一横綱への挑戦牛として名乗りを上げるのは確かと思われる両牛だけに、ここで星のつぶし合いとなるのはもったいない気もするが、これが徳之島闘牛界の宿命とも言える。この取り組みで互いの真の実力が披露されるはずだ。

ツキ、ワリで前に出て間髪を入れず速攻を決めれば力斗若虎の必勝パターン。そのまま相手を柵に張り付けて敗走させ勝負ありとしたい。そうはさせまいと角カケで敵の得意技を封じ、じわじわと圧力を掛けるのが保岡大信玄の得意とする戦法だ。

大型実力牛の激突だけに、先に自分のペースに持ち込んだ方が有利なのは闘牛界のセオリーであり、どのような闘いぶりを披露してくれるか今から期待が高まる。大型牛がひしめく全島一クラス牛対戦に相応しい激闘が展開されるのは間違いない。

〈軽量級優勝旗争奪戦〉優翔大力vs零次熊虎
「優翔大力」は、沖縄で軽量級チャンピオン「丸昇組花形」として2度のタイトル防衛を果たすと、沖縄軽量級優勝旗を返納し6戦全勝の戦歴を引き下げ徳之島へ移籍。2010年10月の大会で徳之島での初陣を飾った後、「岩下バイソン」と52分余りの長期戦の末に引分けた。11年10月の大会で軽量級優勝旗に挑戦。チャンピオン「綾音無双レイア号」と激しい腹取りの応酬の末に柵際で見事な切り返しを決め、9分26秒で勝利し念願の優勝旗を獲得した。12年1月3日大会で「背白花形」を9分33秒で退け初防衛。5月の大会では「ボロジノ娘」に14分25秒、10月の大会は7分24秒で「森山工業孫一号」、本年1月の大会は「岩下バイソン」との再戦を24分37秒で、それぞれの挑戦牛を退け4度のタイトル防衛に成功している。
攻撃に対する守備が上手く、攻め込まれているように見せながら角先を敵の角の根元などに当て、ダメージを与える試合巧者であり、勝機を見逃さない集中力の高さも抜群で、沖縄を含む12勝1分けという戦歴を誇る。

圧倒的強さを誇るチャンピオンの防衛阻止を果敢に目指すは「零次熊虎」。2010年1月の大会で当時6勝1敗の戦歴を誇る「北天白タビ」に初陣で果敢に挑み、実績面で不利の下馬評を覆し20分20秒で勝利し殊勲賞を獲得すると、11年8月の大会ではミニ軽量級優勝旗を返納したばかりの富士皇と対戦。やはり、キャリア面で圧倒的不利が囁かれる中、27分20秒の激闘を制し金星を上げるなど“連勝牛キラー”の異名を誇る。ツキ・カケ・速攻の3拍子に加え、絶対に勝負を諦めない根性を併せ持つのが強さの秘訣でもある。

数々の修羅場をくぐり抜け、負けを知らないチャンピオン有利の前評判は今大会も変わらないが、一般的な闘牛は10歳を超えるとピークを過ぎる傾向にあるのに対し、大会出場回数こそ少ないものの、8歳と円熟期を迎えているチャレンジャーに期待する声も大きい。

両牛の力が拮抗し勝敗が混沌としてきた時に後押しとなるのが、場内にあふれる観客の声援だ。タイトル戦ではいわゆる「判官びいき」が観客の気持を覆い、王座交代を望みがちだ。特に、チャレンジャーが不利な状況に追い込まれながらも粘り続けるほどファンの期待が一方に注がれ、後押しとなることがある。
対戦開始と同時に、ツキ・カケ技を見舞いながら懐に飛び込み速攻を狙う零次熊虎に対し、優翔大力は“伝家の宝刀”とも言える柵際での返し速攻で応酬するだろう。リング狭しと激しい速攻の応酬が繰り広げられ、闘牛ファンの声援もチャンピオンとチャレンジャーに二分されるはずだ。そこで有無を言わさず攻めきれば優翔大力がチャレンジャーを軍門に下し、傷を負いながらも闘牛根性をみせつけて踏ん張れば観客の声援が一身に集まり形勢逆転となるはずだ。闘牛、勢子、応援団と観客が一体となった優勝旗争奪戦が予想される。勝利の行方や如何に。

(平成25年4月28日付南海日日新聞に執筆)

闘牛大会日程・結果
平成25年
GW大会
5月2日
ナイター大会
5月3日大会
5月3日
ナイター大会
5月4日大会
中量・ミニ軽量級
5月5日大会
全島一・軽量級
同結果 同結果 同結果 同結果 同結果

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