上面縄闘牛組合結成記念闘牛大会 |
(平成27年4月25日現在) |
日時:平成27年4月26日(日曜日)午後1時30分開始
場所:徳之島なくさみ館(伊仙町東目手久)
主催:上面縄闘牛組合
入場料:大人3,000円(高校生以上)、小人1,000円(中学生)、小学生以下無料 |
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横綱 |
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豪剣和空大旺
(牛主:和空&大旺、4連勝) |
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保岡大信玄
(元全島一横綱、牛主:保岡盛満、5勝1敗) |
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封切特別 |
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中兄弟蓮希
(牛主:蒼唯・樹希也・優悟、4連勝) |
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昇天竜
(牛主:基山和秀、2連勝) |
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【大会の見所】 |
その名の通り、伊仙町上面縄地区の闘牛組合結成を祝い企画された大会である。若手牛主が増えていることに加え、昨年10月に地元の「健祥会☆戦闘たくま」が全島一王座に就き、とても活気があると聞く。徳之島闘牛界においては、後継者育成という面でも頼もしい存在と言える。大会は、若手からベテラン、小型牛から大型牛までがそろい踏みし、中でも封切り戦の「中兄弟蓮希」対「昇天竜」の連勝牛対決、全島一王座を狙う「豪剣和空大旺」対元全島一横綱「保岡大信玄」の結びの一番は、ファン必見の取り組みだ。
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〈横綱戦〉「豪剣和空大旺」vs「保岡大信玄」 |
「豪剣和空大旺」は、沖縄で4勝2敗の戦歴を引き下げ、徳之島に移籍し昨年6月のトライアスロン記念大会でデビュー、8月末の大型牛対決を制し、本年元日の大会で「平成6・7年生成人同志 絆頂」に14分11秒で勝利した。
続く3月の卒業記念闘牛大会の横綱戦は、「金重号」へのあいさつ代わりのワリ技で戦意を奪い30秒で下し、もっか4連勝と勢いに乗っている。1,100キロ余りの巨体を生かした、ツキ・ワリ技からの速攻を得意とする。
「保岡大信玄」は、2012年1月の大会で「突撃支援隊古徹号」に勝ち初陣を飾ると、同年10月大会は「瑞鳳」を退け、13年5月大会の「力斗若虎」との大型有望牛対決を1分53秒で制し、昨年1月大会で「企画 島牛楽」にも勝ち星を重ねて4連勝として、全島一横綱チャレンジャー候補として名乗りを上げた。
続く、5月の全島一優勝旗争奪戦で「伊藤兄弟 天龍王」に5分31秒で勝利し、栄えある優勝旗を獲得。初防衛を目指した10月大会で、「健祥会☆戦闘たくま」を攻め込みながらも、相手の粘り腰に18分48秒で惜敗し、優勝旗保持はならなかった。
互いに相手の出方を見ながらペースを上げるタイプであり、一旦攻められながら回り込む型の速攻を得意としているだけに、短期戦で決着することは無そうだ。保岡大信玄としては、体重差があるだけに長期戦は避けたいところ。先手必勝で攻勢に出て、足下が軽くなる頃合いを見計らって懐に飛び込み、そのまま追い突きを決めたい。
一方の豪剣和空大旺としては、体重を乗せた得意のワリ技でジャブ気味にダメージを与え続け、戦意を奪う戦法に出るのではないか。集中力が落ちたところを攻め立て、一気に勝負ありとするであろう。
対戦開始早々、1トンを上回る大型牛の迫力溢れる激闘が展開され、場内の熱気は一気にヒートアップするはずだ。次期、全島一横綱チャレンジャー候補として名乗り出るのはどちらか。
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〈封切特別戦〉「中兄弟蓮希」vs「昇天竜」 |
「中兄弟蓮希」は、2013年5月大会で、「戦艦ピコ猿」に14分11秒で勝利し敢闘賞を獲得。続く10月大会は、「だだ吉福ちゃん」との封切戦を15分01秒で制し、14年1月大会で「闘魂夢羅咲来」を22分42秒の長期戦の末に退けた。昨年8月の「お盆ナイター大会」の3連勝牛同士の対決となった「篠原サッシ龍己」戦では、武器(角)を活かした荒技牛ぶりを見せつけ12分10秒で技能賞を獲得。闘争心の強さが持ち味で、ツキ技を容赦なく見舞って相手にダメージを与え勝機を掴む。
「昇天竜」は2014年5月の全島大会で、2連勝中だった「大当り同心こまめ」に速攻を決め、2分17秒で殊勲賞を獲得する勝利を上げた。続く、10月18日の全島大会では若手期待牛「福田友力号」と対戦。落ち着いた取り口から11分55秒で退け、技能賞を獲得。ツキ・カケ・速攻の3拍子が揃い、益々の活躍が期待される人気牛だ。
闘いの派手さで圧倒してくる中兄弟蓮希の攻めを、昇天竜がどこまで凌げるかにかかっている。対戦開始早々、あいさつ代わりのワリ技から角カケに入り、一気に柵に押し込めば中兄弟蓮希。
対する昇天竜としては、ツキ・ワリ技の真っ向勝負に応じることで、相手を怯ませ有利な展開に持ち込みたいところ。角カケで敵の攻めを封じ徐々にエンジンを掛け、相手に攻め疲れが出れば勝機が見えて来るであろう。
技牛として今後活躍が期待される両牛だけに、あっという間の短期戦で決するか、見ごたえ十分な長期戦になだれ込む可能性もある。GW大会の開幕を飾るに相応しい迫力溢れる攻防を5分、10分と繰り広げ、目の離せない熱戦となるはずだ。
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(平成27年4月25日付南海日日新聞に執筆) |
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