昨年10月のミニ軽量級優勝旗争奪戦で悲願の優勝旗を獲得した「闘天ぶちかまし永岡号」。2009年4月大会のデビューから「熊姫」、「ヘイヘイホー」、「大和KID」、「二等兵」と勝ち進み4連勝とし、昨年1月大会で「闘将☆マングース」との連勝牛対戦で、32分弱の激戦を繰り広げるも惜敗。続く、5月大会で「黄金隼」に40分を上回る攻防で引分けとした後、中5ヶ月余りでチャンピオン「Mr.剛力」に挑戦。28分弱で勝ち星を掴み、新王座に就くという並外れた闘牛根性を見せつけた。
対する「吉村畜産 闘将☆マングース」は、11年5月大会のデビューから、「阿権少年団智哉岩力」、「琉誠嵐」、「SEIKA.Jr.獅子王」、「ぐるくん」と勝ち進み4連勝。13年1月大会で「闘天ぶちかまし永岡号」を退けると、5月大会で「コブラ」、10月大会で若手実力牛「友志ゴールド」と30分を上回る激闘を展開し、勝利に対する執念で敵を敗走させた。
昨年1月の中量級・ミニ軽量級大会で勝敗が決している両牛が再び合いまみえる事になり、チャレンジャー有利の声が強かった。その理由は、一度負けた相手を牛は覚えており、再び闘っても勝てないのが通例だからだ。
そのような定石を覆した“かけ戻し”の成功例で最も有名なのは、初代全島一横綱「実熊牛」であり、近年では、一度王座を奪われた「風神大王」が、沖縄の全島一横綱に返り咲いて凱旋し「井上天一」にリベンジを果たした例があるが、それだけ前例が無い。
結果的には、一度勝った闘将☆マングースが闘天ぶちかまし永岡号に31分42秒の見ごたえ十分の長期戦の末に再び勝利し、悲願の優勝旗を手に勝利の舞に歓喜した。
それでも、一度負けた相手に果敢に挑み続けた闘天ぶちかまし永岡号の闘争心には敬服する一方だ。何しろ、昨年は1月、5月、10月と全3大会に出場し、合計対戦タイムは1時間40分を越える。十分に休憩して歴戦の疲れを癒し、復帰戦での雄姿を待ちたい。
新王座に就いた吉村畜産 闘将☆マングースは、700kg余りで正にミニ軽量級筆頭と言える。だが、体重上限は750kgであり、今後も体重で上回る相手との防衛戦を強いられるだろう。それでも、類い稀な闘牛根性と技の巧みさで防衛回数を積み重ねて欲しい。
今年も、徳之島の中量級、ミニ軽量級クラスでは戦国時代が続く事が予想される。
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