「優翔大力」は、沖縄で軽量級チャンピオン「丸昇組花形」として2度のタイトル防衛を果たすと、優勝旗を返納し6戦全勝の戦歴を誇り徳之島へ移籍。2010年10月大会で徳之島での初陣を飾り、「岩下バイソン」と52分余りの長期戦の末に引分けた後、11年10月大会で「綾音無双レイア号」に勝利し、軽量級優勝旗を獲得。「背白花形」、「ボロジノ娘」、「森山工業孫一号」を下すと、本年1月の「岩下バイソン」との再戦を制した。続く5月大会で「零次パンダ」、10月大会で「コウダ技電ラッキーパンダ」を敗走させ6度のタイトル防衛に成功している。
既に悟りを開いているかのような闘いぶりは闘牛ファンにもお馴染であり、攻撃に対する守備が上手く、攻め込まれているように見せながら角先を敵の角の根元などに当て、ダメージを与える。タイトルをどこまで防衛するかがファン注目の的だ。
圧倒的な存在感を誇るチャンピオンに挑む「二代目 関東ルビー」は、沖縄闘牛界において「金功重機白王」として活躍してきた名牛だ。6戦全勝の戦歴を引き下げ12年11月、「第98回秋の全島大会」(沖縄県うるま市石川イベント広場)で、当時の軽量級チャンピオン「闘将☆メカ」に挑戦。13分弱の激戦の末に惜敗したものの、その手に汗握る攻防は今でも闘牛ファンの語り草になっている。
チャンピオン・優翔大力の必勝パターンは相手が仕掛けてくるこことだ。どんどん前に出て攻めてくれば願ったり叶ったり。自分の角をカウンター気味に敵の眉間などに当て、じわじわと戦意を奪う。柵際をわきまえた守りの巧みさも既にお馴染であり、その術中にはまった時点で勝負ありと言えよう。
年齢的な衰えも見せず、気力・体力とも十分なチャンピオンに勝つためには、逆に攻めさせることと思われる。関東ルビーとしては、守りと勝機を見逃さない集中力には定評があるだけに、ジャブ気味にツキ・ワリ技を見舞いながら敵が仕掛けてくるよう誘い込みたい。どんなに相手が攻めて来ても、体をくの字に曲げて回り込む柔軟性の高さが真骨頂であり、敵の十八番を奪えば気力も減退するはずだ。闘争心の衰えを見計らい、一気の速攻を決め決着をつけたい。
軽量級王座として優翔大力が新たな伝説を刻み続けるのか、二代目 関東ルビーが沖縄で成し得なかった優勝旗獲得を果たすのか。闘牛界の歴史に刻印される一戦を期待したい。
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